名前に「児童」が付く手当がいっぱいあってよくわかんなーい!
でも大丈夫~
この記事では名前に「児童」と付く3つの手当を比較しながらわかりやすく解説していきます
子育て世帯に対してどのような手当が用意されているのかを確認して、今後の家計管理やリスクマネジメントに活かしてもらえたら嬉しいです
また各手当を個別に解説した記事もありますのでご参考に
3つの手当
名前に「児童」と付く代表的な手当は次の3つ
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 特別児童扶養手当
似たような名前で「扶養」とか「特別」とか言われても混乱してしまうばかりで、名前だけ見てもその内容の違いまで読み取ることは難しいでしょう
そこで、今回はこの3つの手当について違いがなるべく分かりやすくなるようまとめてみました
子どもに関する手当にはこんなものがあって、今は対象でないものでもいざという時には活用できるように知識を持っておくことは大切なことですね
手当の目的

まずは各手当の目的について
各法に記載の目的を少し短くして掲載していますので原文とは少々異なります
児童手当 | 児童を養育している者に児童手当を支給することで、家庭等における生活の安定に寄与し、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資する |
児童扶養手当 | 離婚や死別などでひとり親などの状態になった家庭の生活安定と自立促進に寄与する |
特別児童扶養手当 | 精神・身体に障害のある児童の福祉の増進を図る |
児童手当は子どもが健やかに成長するために、児童扶養手当はひとり親などの家庭の生活安定・自立促進のために、特別児童扶養手当は障害を持った子が幸福であるためにそれぞれ整備されています
それぞれの手当に目的が設定されていますが、共通していえることは「児童の生活安定」に関することです(福祉の増進にも児童の生活安定は含まれていると考えます)
受給できる人

受給できる人は子どもを養育している保護者です
対象となる子どもは年齢によって区別されています
児童手当 | 15歳に達する日の年度末(中学卒業まで)までにある児童を養育している者 |
児童扶養手当 | ひとり親家庭などで、18歳に達する日の年度末(高校卒業まで)までにある児童(一定以上の障害がある場合は20歳未満の児童)を養育している者 |
特別児童扶養手当 | 精神・身体に中度以上の障害があり、日常生活において常時の介護を必要とする20歳未満の子どもを養育している保護者 |
児童扶養手当や特別児童扶養手当は障害を持っていても20歳で手当が終了しますが、その後は一定の条件を満たせば障害基礎年金などの受給が可能になります
その他の手当は一定の障害があれば20歳まで受給可能
手当の額

手当の額について比較してみます
(表はすべて月額で2021年度現在のもの)
児童手当 | 0歳~3歳になる誕生月:15,000円 満3歳児~小学生:10,000円(第3子以降は15,000円) 中学生:10,000 |
児童扶養手当 | 1人目:43,160円 2人目:10,190円 3人目以降:6,110円 (所得額によって段階的に減額されます) |
特別児童扶養手当 | 1級:52,500円 2級:34,970円 |
年間で受給可能な額は子ども1人当たり最大で
- 児童手当(0~3歳):180,000円
- 児童扶養手当:517,920円
- 特別児童扶養手当(1級):630,000円
なおこれらの手当は併給が可能で、ひとり親で子どもに一定の障害がある場合、3つすべての手当を受けることができます
条件を満たしていれば併給(同時に受け取る)することができる
所得制限

すべての手当に所得制限があります
今回は扶養親族が1人の場合を例に比較しています
児童手当 | 6,600,000円 (収入額目安:8,756,000円) |
児童扶養手当 | 全部支給 870,000円 (収入額目安:1,600,000円) 一部支給 2,300,000円 (収入額目安:3,650,000円) |
特別児童扶養手当 | 4,976,000円 (収入額目安:6,862,000円) |
児童手当の場合、所得制限額を超えても「特例給付」といって月額5,000円が支給される仕組みがあります
しかし、さらに所得の多い場合2022年10月からはこの「特例給付」すら受け取れない世帯も出てきます
比較してみると児童扶養手当の所得制限額が他よりも低く設定されていることがわかります
これは児童扶養手当が、ひとり親になったことでの急激な所得減少による生活困窮を防ぐためのものでもあるため、一定の収入があれば段階的に手当額も縮小させる仕組みになっています
児童扶養手当の所得制限額は低めに設定してある
その他

どれも似たような名前なこともあってか次の表のような呼ばれ方をすることもあります
(誤った呼び方とは思います)
児童手当 | 子ども手当(民主党政権時代の名称) |
児童扶養手当 | 母子手当(以前、父子家庭は受給できなかった) 現在も父子家庭よりも圧倒的に母子家庭のほうが多い |
特別児童扶養手当 | 障害手当など 障害年金や障害福祉年金などと混同しやすい |
このように公的支援がいろいろあることはいいのですが、国民を混乱させにきているのかと疑うほどに紛らわしいネーミングですよね
まとめ

表にしてみるとわかるとおり、子どもの幸福を目指していることは共通していますがその対象や要件まで様々です
(※子どもの幸福と記載していますが、福祉の増進と書くと少々わかりずらいので私なりに言い換えています)
ここまでの内容を簡単にまとめると
児童手当 | 子どもを持つ世帯に広く支給され、所得制限を超えても特例給付を受給できる |
児童扶養手当 | ひとり親世帯などの生活安定・自立促進のため支給される 所得制限額は比較的低めの設定 |
特別児童扶養手当 | 障害を持った子どもの幸福のために支給される 手当額は3つ中で1番高い(1級の場合) |
このような言い方ができるかと思います
それにしてももう少しわかりやすいネーミングはなかったものかと思ってしまいますね
繰り返しになりますがこれらの手当はすべて併給ができます
例えばひとり親家庭で子どもに一定の障害があれば3つの手当をすべて受給可能です
現時点では対象者ではなくとも、配偶者との離婚や死別、子どもの障害などにより受給対象になることは十分に考えられます
生活していく上でのそういったリスクに対して公的な援助はどのようなものがあるのか、この記事を参考にしていただければ幸いです
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