子どもにとって親から受ける影響というのは大変に大きなものです
そして、親はだれしも子どもの可能性を伸ばしてあげたいと感じていることでしょう
しかし、世の中のお父さんお母さんはみんな初心者からスタート
研修期間もなく子どもが生まれればすぐに本番を迎えるわけです
どのように育てていけばいいのかまるで分らない
試行錯誤の毎日
私は小・中・高の教員免許を持っていることに加え、過去7年にわたり子どもや子育てにかかわる仕事に従事、さらには現在2児の子育て中であり、子育てに関する制度や実態について幅広い経験を積んできました
本記事ではは高濱正伸氏著の「子どもを伸ばす父親、ダメにする父親」という本をご紹介

イクメンとか父親の育児参加とか叫ばれている昨今
「父親の家庭での役割ってこういうことだよ」
ということについて、特に遊びを中心としたアプローチに焦点を当てて書かれた本です
この記事を読むことで、父親として家庭内で意識すべきことややるべきことが少しクリアになるでしょう
子育てに正解はないけどひとつのヒントとして役立てることができます
本書のポイントは次の3つ
- 母親と父親では役割が違う
- 家庭の中心は母
- 子どもと遊ぶことを難しく考えすぎない
それでは詳しく解説していきます
著者の高濱正伸氏
本の著者「高濱正伸」氏についての簡単なプロフィール
1959年生まれで熊本県出身
東京大学卒業後、同大学で修士課程も修了
メシが食える大人を育てることをテーマとした「花まる学習会」を設立
情熱大陸やカンブリア宮殿などのTV番組にも出演
本書について
本書「子どもを伸ばす父親、ダメにする父親」は2013年に角川学芸出版より発行されています

ドキッとするタイトル

誰だって親心としては、子どもに立派に成長してほしいという漠然とした思いがあるでしょう
そんな中で子育てをし、どうやったら子どもがすくすくと伸びていくものか、なかなか悩ましい問題にも向き合う必要があります
そこで「子どもをダメにする父親」なんて書かれたら気になってしょうがない
ここで本書の導入として取り上げられているトピックですが、引きこもりや家庭内暴力を起こしてしまう子どもは父親と遊んだ経験が少ない傾向にあると指摘しています
メシが食える大人

著者の高濱氏は本書も含め一貫して「メシが食える大人」に育てることをテーマとしています
ここでいう「メシが食える大人」とは
- 経済的な自立=自分ひとりが食べていけるだけの収入を得ること
- 社会的な自立=公私にわたる人間関係の中で「あなたは必要です」と求められる人材として、力をつけていくこと
- 精神的な自立=自らの確固たる価値観や人生観を持ち、どんな環境にいても仕事に生きがいを持てる人間になること
のすべてを兼ね備えた大人を指します
これは、どれかひとつでもかけた欠けた状態、例えば経済的には自立していても自分価値観や人生観を持っておらず精神的に自立していない場合は「メシが食える大人」としていません
案外に、3つの自立のうちどれかがかけている状態っていうのはよくあることでしょう
また、経済的自立は達成状況を確認しやすいですが、社会的な自立、精神的な自立に関してはなかなか判断に困る部分もあります
そして、本書ではそれら3つの自立を身に付けるためには父と子の遊びが大きな役割を果たすとしています
本書のポイント3つ

本書での重要なポイントを3つ見ていきましょう
母親と父親では役割が違う
家庭ではお父さんにしかできないことがあります
イクメンと聞くと育児を率先して行い、家事もしっかりとこなしていく
そんなイメージがあると思います
これ自体はとても良いこと、というかやって当然なことでしょう
ここで指摘しているのは家庭内に母親が2人になってしまうこと
母親には母親の領域が、父親には父親の領域があるというのです
母親の領域に父親が足を踏み込んでしまい、母親が2人の状態になると子どもは育たない
父親が父親の領域で子どもに示すべきものとしてつぎの5つをあげています
- 論理力を育てる気持ち
- 社会との関わり方
- 言葉の重みを感じさせる
- 大局を見る
- 母を個人として大切にする
そして、これらはすべて父と子の遊びの中にあるのです
もちろん子どもと遊ぶことは母親にもできますが、父親が本気で子どもと遊ぶということは、先の5つを示すうえでも特別なことだといいます
家庭の中心は母
母親の安定がキーワードになっています
母親は命の中心であり、家庭内で母親が安定することが子どもの成長に大いにいい影響を与えます
母親との温かい関係が子どもの将来の年収の高さにも関連してくるという研究結果も出ており、いかに、家庭内での母親の安定が大切かがわかります
母親が安定するには父親の役割は大きいわけですが、かといって何か特別なことをする必要があるわけでもありません
普段の会話でしっかりと相槌を打つ、ご飯をおいしいおいしいと食べる、子どもとしっかり遊んでいる姿を見せるなど
すこし意識をすればできることばかりです
子どもと遊ぶことを難しく考えすぎない
自分自身あまり父親と遊んだ記憶がない
いざ子どもと遊ぶとなると何をしたらいいのかわからない
急に「さぁ子どもと遊んでください」と言われて戸惑うお父さん方も多いかもしれません
ここではあまり難しく考えすぎず、父親の「楽しんんでいる姿」や「本気の背中」を子どもにみせることが大切です
ただのおいかけっこでもいいし、布団の上でのプロレスごっこでも、そこからいろいろな遊びに派生していきます
子どもと父親との遊びをとおして

遊びの例については本書で様々紹介してくれています
屋内や屋外、森、川、海、またその他にも、女の子、男の子の違いなどにも触れています
それぞれ、具体的な事例にも触れながの解説があるので読んでいてイメージがしやすいでしょう
まとめと反省
この記事では高濱正伸氏著の「子どもを伸ばす父親、ダメにする父親」についてご紹介しました
ポイントは
- 母親と父親では役割が違う
- 家庭の中心は母
- 子どもと遊ぶことを難しく考えすぎない
の3つです
本書を読み進めていくと、これまで子どもとしっかり遊べていたのか自分自身の反省点が浮かんできます
休みの日でもなかなか腰が重く、ついつい子どもの要求にもなにかと言い訳をつけて応じないことがあり「いかんなぁ~」と後悔
またそれと同時に、本を参考にもっといろいろ遊べそうだぞと思える部分が多く、前向きにとらえることができました
遊び一つとってもそれが子どもにとってどのような影響があって、結果、どのような方向につながっていくのか、意識を持つことはとても大事なことです
子育ては何をやったら正解というものではありません
この本に書いてある通りのことをすれば万事OKでもなく、大切なことは「子どもとしっかり向き合えているか」だと思います
子どもと真摯に向き合い「メシが食える大人」なれるよう、これからも手助けをしていきたいですね

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