子育て関連の施設っていろんな名前があって結局何をしているところなのかよくわからないことってありますよね
特に子どもを預かってくれる施設として保育所と幼稚園は昔から身近にあり、割と知っている人が多いと思います
では「認定こども園」についてはどうでしょうか
以前よりこども園という名の施設は存在していましたが、現行の制度に落ち着いたのは平成27年のことです
現行制度移行後「認定こども園」の施設数は増加傾向にあります
これから子どもをどこかに預けようと検討している人、すでに預けているけどそれぞれの施設の違いがよくわからない人は、一度「認定こども園」がどういった施設なのか確認してみるのもいいでしょう
私は小・中・高の教員免許を持っていることに加え、過去7年にわたり子どもや子育てにかかわる仕事に従事、さらには現在2児の子育て中であり、子育てに関する制度や実態について幅広い経験を積んできました
この記事では「認定こども園」について、保育所や幼稚園との違いや種類についてを解説しています
この記事を読むことで、皆さんが子育て施設を活用する一助となることができれば幸いです
先に概要ですが
認定こども園は次の4種類
- 幼保連携型
- 幼稚園型
- 保育所型
- 地域裁量型
認定こども園の主な機能は次の2つ
- 「教育」「保育」の提供
- 「子育て支援」の提供
それでは詳しく解説していきます
認定こども園は保育所と幼稚園の両方の要素を兼ね備えた施設

先にも記載したとおり、現行の「認定こども園」は平成27年に子ども・子育て新制度がスタートしたことにより、今のカタチに至っています
現在のカタチになってしばらくたちますが、「こども園」と聞いても「なかなかイメージがわきにくい」「保育所や幼稚園なら知ってるんだけど」という方も多いのではないでしょうか
そこで、「認定こども園」とはいったいどのような施設なのか、解説していきたいと思います
認定こども園はこんな施設
これまでに子どもを預ける施設に関して制度改正が重ねられてきた背景として、保護者の未就学児(0~5歳児)に関する教育・保育へのニーズが多様化し、これまでの縦割りな制度では満足のいく教育・保育サービスが受けられなくなってきたことがひとつあげられます
例えば、女性の就業率は年々増加傾向にありますが
幼稚園に子どもを預けている保護者が新たに就職する際、幼稚園の利用時間(例:9時~13時)では不十分なため、利用できる時間の長い(例:7時~18時)保育所に入れる必要があります
この場合、わざわざ別の施設へ転園のような形で預けなおさなければなりません
また逆のケースもあり
保育所に預けていて、何かしらの事情で両親の片方が仕事を辞めた際は保育を必要とする理由が外れてしまうため、保育所を退所しなければなりません
やはりこの場合も、引き続き集団での教育・保育を必要とするのであれば、別の幼稚園へ預けなおす必要があります
別の施設への入園となると、勝手の違いやら準備するものやら、大変な労力を伴うこととなるでしょう
これはそれぞれの施設の目的が異なるために起こる弊害で
幼稚園は「教育」機関、保育所は就労などにより日中子どもを保育することができない親のための「保育」機関であるという違いがあります
このような不都合などを背景に「教育」も「保育」も同一の施設でサービスが受けられるよう、認定こども園は整備されました
同一施設内で「教育」と「保育」の両サービスの提供が実現することで、両親の就労状況など変化に伴い子育てに関するニーズが変化し合場合でも柔軟に対応することができるようになっています
あわせて、国の所管も「幼稚園」は文部科学省、「保育所」は厚生労働省でしたが、「認定こども園」については内閣府子ども・子育て本部が一元的に対応することとなっています
「認定」って何

「認定こども園」の「認定」って何でしょうか
気になりますよね
ここでいう「認定」とは、一定の設置基準(職員の配置など)をクリアし、都道府県や市から認可を受けた施設のことを指しています
施設によっては施設名に「認定」を付けていないところもありますが、県などから認可されていれば「認定こども園」です
また、その施設が認定こども園かどうかは都道府県などのホームページにより公表されており、確認することができます
認定こども園は全4種類

「認定こども園」と言っても実は4種類もあります
幼保連携型
幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ単一の施設として、認定こども園としての機能を果たすタイプ
幼稚園型
認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプ
保育利用の枠は幼保連携型に比べ少ない傾向
保育所型
認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプ
教育利用の枠は幼保連携型に比べ少ない傾向
地域裁量型
幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ
他の3種類に比べ施設数は圧倒的に少ない
このように4種類の施設型がありますが、施設数の割合としては幼保連携型が圧倒的に多く、次いで幼稚園型と保育所型が同じぐらい、地域裁量型はかなり少ないです
また、こども園とは違いますが保育所と幼稚園を同一施設内で運営しているものもあります
活動内容は二つの柱
「認定こども園」と聞いてまずイメージすることは、子どもを預かってもらえる施設ということだと思います
もちろんこちらは認定こども園が提供するメインのサービスになります
子どもを預かり、「教育」と「保育」を提供していきます
そしてもう一つ、認定こども園が果たす役割として地域の子育て支援があります
例えば、子育て相談や親子の集いの場としての子育てサークルの実施が挙げられます
なので、実際に認定こども園に入園していなくても「子育てに関する悩みを相談したい」「よそののママパパと触れ合いたい」といった場合でも気軽に利用することができます
まずは実際に認定こども園に連絡をしてどんな活動があるか確認してみるのがいいでしょう
このように認定こども園は子どもを預ける人、預けな人の両方が利用できる施設になっています
認定こども園のメリット

認定こども園の一番のメリットは保護者の働き方などが変わっても同じ施設に子どもを預け続けることができることにあります
従来の保育所や幼稚園では保護者の状況に応じて預ける施設を変えなければいけませんでした
これは子育て施設の「保育」利用と「教育」利用では利用できる条件も預ってくれる時間も異なるためです
認定こども園は、その点「保育」利用と「教育」利用の両方の利用が可能な施設なので、保護者の働き方などが変わっても同一の施設に預け続けることができるのです
同一の施設に預け続けることは親の負担、子の育ちにとても良い影響を当ててくれることでしょう
施設の母体によって大切にしていることが違う

認定こども園はまだまだ新しい制度です(現行の制度は平成27年度~)
もともと幼稚園や保育所として運営されていた施設が認定こども園化されることが多く、その母体となる施設によって大切にしていることも異なってくる場合があります
一概には言えませんが、もともと幼稚園だった施設が認定こども園化した場合、保育よりも教育のほうが得意だったり、自然と教育現場的な視点が強かったりということもあります(その逆のパターンもあります)
また、運営団体が学校法人、社会福祉法人、地方自治体など様々(お寺や教会系もあります)であり、法人の理念も影響してきますので施設選択の際はそういったことも参考にしてみてください
まとめ
この記事ではつぎのことについて解説していきました
認定こども園は「保育所」と「幼稚園」それぞれの機能を持ち合わせた施設で全4種類ある
- 幼保連携型
- 幼稚園型
- 保育所型
- 地域裁量型
施設利用については子どもを預けて「教育」「保育」サービスを受けるか、子育て相談や子育てサークルなどの「子育て支援」サービスを受けることができる
認定こども園に子どもを預けるうえでの大きなメリットとして、保護者の働き方が変わっても同一の施設を利用し続けることができることがあげられる
様々な使い方ができる認定こども園は利用者にとってとてもメリットが大きいと感じています
入園していなくても子育て相談などに活用できますので、お近くの認定こども園についてぜひ調べてみてください
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