ここのところ世間では男性の育児休業や子育てへ参加が注目されています
これから子どもが生まれてくるという男性の皆さんの中にも、育児休業を検討されている方は多いのではないでしょうか
しかし、そんな中
- 「育児休業」取れるものなら取りたいけど、職場の男性は誰も取らない
- 取ったら会社で不利益があるかもしれない
- 自分が休んだら仕事が回らない
- 仕事から離れるのが怖い
- そもそもどうやって取ったらいいのかわからない
など、不安に思われている方も多いかと思います
私は下の子が2020年秋に生まれ、その時に育児休業を2か月間(妻子の退院日から)取得しました
私自身、育休取得に関して不安に思うこともありましたが、今では育休を取ってとてもよかったと感じています
それぞれの職場の状況などによっては育児休業に対して抱えている不安や課題は違うでしょう
それでも、男性は育休を取っておいた方がいいことがたくさんあります
この記事では、育児休業を取得することでのメリットや私の取得までの実体験など踏まえた内容になってます
この記事を読んでいただき、男性の育児休業取得への後押しになればうれしいです
育児休業取得のメリット(とるべき理由)

育児休業を取得したことで実感したメリットについていくつかあげてみます
(家庭構成やその状況によって当てはまる・当てはまらないがあると思いますのでご了承ください)
- 妻の体力は限界ぎりぎりまで削れている
- 子どものその瞬間は今しかない
- 男性の育児参加は最初が肝心
- 上の子も環境の変化に困惑している
- 仕事から離れることで視野が広がる
妻の体力は限界ぎりぎりまで削れている

これは個人差がありますが、女性は出産にかなりの体力を持っていかれます
それこそ命がけ
なので、出産後はもうへとへと
出産による母体へのダメージは大きく、しばらくは体をうまく動かすこともままなりません
また「悪露(おろ)」と言って、出産後もしばらくは出血あり
感染症対策のため一か月ほどは湯舟にもつかれない状況
そんな中で新生児の世話と上の子のケアと家事・・・過酷すぎます
中にはできる人もいるでしょうが、それはもうすごいことです
そこで父親の登場です
いきなりすべてを完ぺきにこなすことはできないでしょうが、ひとつずつ妻の負担を軽減していくことは家庭を回していくうえでとても大切なことです
子どものその瞬間は今しかない

子どもができるまではあまり考えていませんでしたが、子どもの成長は本当に早い
上の子もついこの間生まれたと思っていたらいつの間にかもう4歳で、もう2年もしたら小学校に通いだします
戸惑うぐらいに成長が早いです

ちょっとお父さんついていけないよぉ(汗)
下の子も1歳になるころには体重が生まれたときの3倍程度
そんな子どもの成長の早さに戸惑う日々ですが、生まれてすぐの2か月間はその中でもとても濃い期間でした
生後すぐのあかちゃんと一緒にいられるチャンスなんて一生にそう何度もあるものではないので、この機会を逃す手はないでしょう
ただ一緒にいることができるだけでも人生の貴重なワンシーンです
子どもの成長は早い
後で後悔しないためにもその瞬間瞬間を大切に
男性の育児参加は最初が肝心
男性の育児参加は最初が肝心です
あかちゃんは出産後何もなければ1週間程度で退院します
退院後も授乳が必要なので母親が一番身近に世話をする存在になりますが、退院後の早い段階で父親がしっかりと子どもの世話に参加することはその後の父親の子育て参加に大きく影響していきます
退院直後からしっかりと育児にかかわっておくと母親と同等に育児の知識を蓄えることもできますが、育児の最初を母親に任せっきりにしてしまうと育児に関する知識や経験が身につかず、その後主体的に育児参加するハードルがどんどん高くなってしまいます
要は
「何をしたらいいのかわからないし母親がいろいろできてるから自分にはすることはない」
といった状況に陥ってしまいます
そういった状況にならないためにも育児は最初が肝心
母子の退院直後からしっかりと育児の中心を担うことができれば、その後にわたっても父親としての役割を全うすることができることでしょう
上の子のケアが欠かせない

第2子以降の出産の場合に上の子のケアはとても大事です(いくつ離れているかにもよりますが)
今まで、親の愛を一身に受けていた状況から、急に愛が二分割
それどころか親は下の子に付きっきりで、なんかさみしい気持ちに
そんな中、下の子をほったらかすわけにもいきません
父親が休みを取って、両親がそろった状態なら分担して上の子のケアもできます

お母さん、お父さん、子どものみんなで家庭円満になるには父親の育児休業は必須ですね
仕事から離れることで視野が広がる

最後にもう一点
子育てからは少し視点がずれますが、仕事から一定期間離れることで今までの自分やこれからのことを冷静に考えることができたました
それまで日々頑張って仕事に向き合ってはいましたが、何か漫然と進んでいるだけで進歩や達成感を感じにくい状況となってしまっていました
仕事から離れてみて、自分は今後どうしたいのか、そのことに対してこれまでの仕事の進め方や日々の過ごし方はどうだったか、ゆっくり反省をする時間を持てたことはとても良かったです
おそらく、育休取得前と取得後では私の働き方や日常に対する考え方はかなり変わったと思っています
皆さんが育児休業を取得されたときには、私とはまた違った変化かもしれませんが、きっといい影響を与えてくれるものと思います
社会の動向

育休取得率と目標値
国は男性の育児休業取得率を2025年には30%になるよう目標設定をしています
10人に3人が取得する計算です
こちらの図は育児休業取得率の男女別推移です

簡単な様で、難しそうな目標値
2020年度が12.65%と順調に向上しているようにも見えますが、いまだ目標の半分も達成できていません
そうはいっても飛躍的に取得率が向上しており、新型コロナウイルスの影響もあるかもしれませんが今後の動向に注目です
男性の産休制度新設
男性の育児休業取得率向上に向けた取り組みの一つとして「男性の産休制度」がこの度新設されることとなりました
現行の制度も改善しつつ、現行制度と別に取得が可能な形で柔軟に仕事を休めるように設定されています
例えば、申請期限は取得2週間前まででOKで、出生後8週間以内に最大4週間を2回に分けて取得することもできます
また、1年以上の勤務といった取得条件もありません
そして、この制度を企業は妊娠・出産を申し出た社員に「説明したうえで取得の意向を確認する義務」が課せられます(さらに、従業員1000人超の企業は取得率を公表します)
この義務化については結構大きい影響があるのではないかと感じています
このように、国としては男性の育児参加を大いに推進していきたいという姿勢があります
現に共働き家庭が多数派の状況で女性にばかり育児の負担をかけない社会づくりはとても重要で、そういったポイントにフォーカスした福利厚生のある企業に優秀な人材が集中し、そうでない企業は淘汰されていく時代が来るのはそう遠くないと感じています
男性の育児休業取得の壁

ここまでに育児休業を取得することのメリットや社会の動向などについて書いていきました
先にもあったとおり、日本の男性の育児休業取得率は厚生労働省の発表によると2020年で12.65%です(女性は8割以上が取得)
育児休業を取れるなら取りたいと考える男性は少なくないと思いますが、そこには取得率に男女の大きな差を作る壁のようなものがあります
- 収入が減る
- 職場の理解が得られない
- 母乳が出ないし父親にできることはない
思いつくものをいくつかあげてみました
収入が減る(給付制度あり)

実際に収入は減少します
ですが育休中は給料が発生しない代わりに、育児休業給付金が雇用保険から支払われます
育児休業給付金は休業前の給料の2/3(育児休業開始6か月経過後は1/2)です
しかしその間、住民税(翌年度)・所得税、社会保険料の負担が減りますので月々の給与に関しては実質手取りの8割程度はカバーされます
一時的でも手取りが2割減ると苦しいという方もいらっしゃるとは思いますが、私は「意外ともらえるなぁ」と感じました
皆さんはどうでしょうか
(補足:育児休業中は賞与計算期間に算入されない場合がありますので注意が必要です)
職場の理解が得られない

これは職場や業務内容によって本当にそれぞれだと思います
残念ながら、相談する管理職も人繰りや事業の進捗管理などでいっぱいいっぱい
そんな中でメンバーに欠員なんてとても受け入れられないといった事情を抱えた職場は多いでしょう
こういった状況で育児休業を切り出すことに二の足を踏んでしまうのも当然
ですが、社会動向からみても今後はこのような福利厚生が充実した企業が生き残っていくものと思います
「まだまだ、男性の育児休業黎明期ともいえる中で、少しずつでも男性の育休取得の実績が上がっていくことは企業にとってとてもプラスなこと」
と自分に言い聞かせ、思い切って相談してみるのがいいと思います!
私の場合、上司は子育てを経験した女性ということもあり、相談した際も快く聞いてもらえました
母乳が出ないし父親にできることはない

そりゃ母乳は出ません、当たり前です
あかちゃんの食事は「母乳のみ」の場合と「母乳と粉ミルクをどちらも使う」場合と早い段階で「粉ミルクのみ」の場合があります
粉ミルクなら父親からでもいくらでも飲ませてあげることができます
必死に哺乳瓶に吸い付いて「ちゅっちゅ」している姿はそれはもうかわいいものですよね
あと、子育ては食事を与えればそれで終わりでもないです
父親にできることなんて無限にあります
何なら、職場で「自分にしかできない仕事」があるから育休はできないという人もいますが、それと比較しても「家庭のほうがあなたにしかできないことは多い」と私は考えています
本当に育児休業を取りづらい環境に置かれている人もいますし、取得可能なのに何かとこれらの理由をつけて育児休業を取らないだけの人もいます
理由ばかり並べる人の中には「実は壁は自分たちで作った心の壁だった」みたいな人もいるかもしれませんね
育児休業取得に向けた準備

最後に、私が育児休業を取得するまでにした準備などについて
ちなみに出産予定日は9月下旬でした
上司への相談
年度が明ける前の3月末ごろに妻の妊娠と育児休業の取得について相談しました
この時期はまだ安定期にも入っておらず、残業などの極力少なくしたかったため、育児休業のこと以外にも理解を得るために相談はしておくべきでしょう
引継ぎ資料などの整理
育児休業期間中、自身が持っている仕事を同僚に割り振らなければいけません
少しでも負担をかけないよう、マニュアルの整備や復帰してからでもできることなどの振り分けを数か月かけて行います
人事への相談
6月ごろに人事には相談しました
育児休業の取得について、手続きなどの説明を受けます
同僚への報告
8月初旬ごろに出産予定と育児休業取得の意向について報告しました
ここから、休業期間中に同僚にお願いすることを少しずつ伝えていきました
休業中のサポート
休業中はLINEや電話で同僚からの問い合わせに対応します
込み入った内容の案件については数回だけ妻と子どもの様子をみて出勤しました
理想は「休業期間中は完全に仕事から手が離れる状態」だと自覚していますが、なかなかそこまでには至りませんでした
まとめ
ここまでに書いてきたとおり男性の育児休業はメリットがたくさん
男性自身にとっても妻にとっても、子どもや勤め先にとってもいいことはたくさんあります
- 産後の妻のケア
- あかちゃんとの大切な時間の確保
- 育児のスキルアップ
- 上の子のケア
- それまでの仕事に対する姿勢などのの振り返り
さらに社会的に見ても男性の育児休業取得率は右肩上がりで、誰もが育児休業を取得しやすい環境になりつつあります
育児休業取得に向けたハードルも、収入の減少については手取りの8割程度が給付制度などによりカバー可能
私も実際に育休を取ってみたら、本当に取ってよかったと思えました
この記事が少しでも男性の育児休業取得の後押しになればうれしいです
とはいえ、こんないろいろ考える必要もなく「男性の育児休業はあたりまえ」という時代が早くきてくれることを切に願います
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