子育てにかかるお金に不安は尽きません
特に初めての子育てだと、思いもよらぬ出費に悩まされることも多いかと思います
そんな中、出産後のお母さんの仕事復帰に向けて確認しておきたい支出のひとつが保育料です
「ん?保育料って無償化になったんでしょ?」
実は2022年現在、幼児教育・保育は「無償化」となっていますが、そのすべてが無償化になっているわけではありません
いざ子どもを保育施設へ預けようとすると「え!?こんなにお金がかかるの!?」ということにもなりますので、どの程度の費用が掛かるのか事前にしっかりと確認が必要です

私は小・中・高の教員免許を持っていることに加え、過去7年にわたり子どもや子育てにかかわる仕事に従事、さらには現在2児の子育て中であり、子育てに関する制度や実態について幅広い経験を積んできました
この記事ではどういった対象者がどれぐらいの保育料を負担していかないといけないのかについて解説しています
最後まで読んでいただいたら保育料についての理解が深まり、子育てに関するお金の不安が多少なりとも解消されると思います
先に結論から言いますと2歳までは保育料がかかり、3歳以降は無料になります
それでは詳しく解説していきますので、最後まで読み進めていただけたら嬉しいです
保育料について理解を深め子育てに関するお金の不安を軽減しよう
※なお、ここで解説する保育料は認可園(地方自治体から認可を受けた保育所やこども園など)についてのものです
無償化の対象は3歳から

先にも記載したとおり現行の「幼児教育・保育の無償化」とは基本的に3歳以上の子どもの保育料が対象です
さらには、その3歳以上も保育施設の利用の仕方によって無償化の開始のタイミングが異なります
保育施設の利用の仕方は次の2種類
教育認定(1号:いわゆる幼稚園利用)
幼稚園やこども園(教育認定)の場合、施設の受け入れ方針にもよりますが制度上3歳に到達したタイミングで施設を利用開始することが可能です
そして教育認定で利用する限りは保育料も利用開始と同時に無料となります
保育認定(2号:いわゆる保育所利用)
保育所やこども園(保育認定)の場合、教育認定利用とは異なり、年度開始時(4月1日)の子どもの年齢で判定します
そのため3歳になってすぐには保育料は無料にならず、翌年度から保育料が無料になります
教育認定や保育認定についての詳細は下のリンクの記事も参考にしてみてください
3歳未満児は引き続き有料

幼児教育・保育の無償化対象が3歳からということであれば、当然3歳未満の子どもは無償化後も引き続き保育料を負担していくことになります
しかもこれが結構な額で、従来から3歳以上の子どもに比べ保育に関する経費が掛かることから保育料も高めな設定でした
国基準の保育料
国の設定する保育料の基準額(2021年度時点)を見てみましょう
保育料はまず国が基準となる額を設定し、そこから各自治体が実際に保護者から徴収する額を決めています
階層区分 | 保育標準時間 | 保育短時間 |
---|---|---|
生活保護世帯 | 0円 | 0円 |
市町村民税 非課税世帯 | 0円 | 0円 |
所得割課税額 48,600円未満 | 19,500円 | 19,300円 |
所得割課税額 97,000円未満 | 30,000円 | 29,600円 |
所得割課税額 169,000円未満 | 44,500円 | 43,900円 |
所得割課税額 301,000円未満 | 61,000円 | 60,100円 |
所得割課税額 397,000円未満 | 80,000円 | 78,800円 |
所得割課税額 397,000円以上 | 104,000円 | 102,400円 |
保育料は夫婦の市町村民税所得割額の合計額をもとに階層的に決められます
また、その市町村民税所得割額の合計額が77,101円未満のひとり親などの世帯は保育料が9,000円に設定されています
市町村民税所得割額については毎年6月ごろに勤務先(または市区町村)から送られてくる住民税の決定通知をご確認ください
保育標準時間と保育短時間?
上記の階層表を見ていると「保育標準時間」と「保育短時間」の欄がそれぞれあることがわかります
これは、保育を必要とする時間により分かれていて保育標準時間は最大11時間/日、保育短時間は最大8時間/日保育を利用することができます
利用時間が違うので保育料にも差がつけられているということです
横浜市の例
上記の国の基準額をベースに各自治体が独自に保育料を設定していきます
ここでは横浜市の設定する保育料を例に見てみます
自治体の定める保育料は大まかな傾向として国の基準よりも階層は細かく、保育料は安くといった感じになっています
月額
具体的に比較してみると、夫婦の市町村民税所得割額の合計が10万円だった場合の保育料は
- 国:44,500円/月
- 横浜市:25,000円/月
となります
このように基本的に国基準よりも各自治体は保育料を抑えて設定しています
ですが、無料だと思って保育所に入れてみたら「月額25,000円でーす」って、結構ダメージが大きいですよね
年額
年間に換算すると25,000円×12か月で300,000円です
これほどの額になると家計に与えるインパクトはかなりのものかと思います
せっかく仕事復帰をして「これから稼ぐぞ!」という時に出鼻をくじかれかねません
事前に復帰後の増える収入についての確認もいいですが増える支出についての確認は必須ですね
市町村民税の課税状況によって保育料額が決まる
無償化の影響額

ここまで3歳未満は保育料がかかる話をしてきました
正直、3歳未満の保育料負担はなかなかお財布的につらい内容ですが、そうはいっても3歳以上の保育料無償化の恩恵は絶大です
無償化開始前の国の基準額では、夫婦の市町村民税所得割額の合計が10万円だった場合の保育料が月額41,500円でした
これを年間に換算すると41,500円×12か月で498,000円です
各地方自治体ではもっと低い設定ではありましたが、これほどの額を3,4,5歳と3年間も払い続けると合計約150万円もの支払いになります
今までが保育料を取られすぎだったのかどうかはわかりませんが、世の中は子育てしやすい方向に一歩進んだんだなと感じます
まとめ
この記事では保育料の無償化の開始タイミング、3歳未満の保育料の実態、保育料無償化の家計への影響について記載しました
幼児教育・保育の無償化が始まり、我が家の家計は正直とても助かっています
ですが、実際は3歳未満児の無償化はまだまだ実現していません
そもそも保育の受け皿が不足していることなど他の問題との兼ね合いもあるかと思います
共働き世帯の仕事復帰を考えると、保育料は家計にとってまだまだ避けては通れない課題であるといえるでしょう
自治体によって、より手厚く保育料を低く設定しているところもあります
また、市町村民税所得割額以外にも保育料を算定する要素はあるため、実際に施設利用をお考えの際は、市役所の窓口で保育料の試算をしてもらうといいでしょう
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